梅市 , この素晴らしさを伝える言葉がみつからない , ☆☆☆ , 2019年6月 大阪

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自分の中でのスタンダード、マスターピースと思いながらも、しばらく訪れることができなかった梅市。

こちらのWEBサイトで、髪が白くなった大将の姿を見たら、これは行かなくては。

そう思い立って、関西行きを決めました。

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頼んだお酒は、浪速酒造の「さか松」。すっきとした飲み口で、料理に良く合います。

前回来た時に、カウンターの端で一人で料理を楽しんでいた浪速酒造の社長の姿を思い出してしまいました。

こんなすてきなお酒を造る方だったのですね。

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. 先付  白ずいき、いくら、海苔の酢の物

白芋茎は、以前こちらに来た時にも出ていた気がします。

こちらでしか食べたことがないです。

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先付 鮎の真子、じゅんさい、鮎の寒天寄せ、雲丹蓮根

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一年寝かせたという、鮎の真子。しっとり、ねっとりとした食感と味。

まさしく珍味。これだけで、お酒が進みます。

梅のジュースに浸かったジュンサイ。この様な使い方は初めてです。

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お椀 海老真薯

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このお出汁が飲みたくておこちらのお店に来るんです。

カミソリの様に薄いピントを、見事にフォーカスしてきます。

このお出汁の澄んだ清々しい感じが、画像からもよく分かると思います。

そして、ここまでの料理からも澄んだ清々しさ、ピンと張りつめた感じが伝わってきます。

この雰囲気がこちらのお店の、凄いところです。

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向付 鱧、ひっさげ

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鱧は梅肉を浸けて食べます。

おそらく一番おいしく感じた鱧です。皮に近い部分の身の味の濃いこと。

あまりおいしさを感じたことがないのですが、これはこれまで食べてきた鱧とは全く違ったものです。

ひっさげは、日本近海で育ったクロマグロの若魚のこと。ヨコワ、更に育つと「ひっさげ」と呼ばれています。

味が濃すぎない、全く臭みを感じない上品な中トロです。

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蛸の柔らか煮

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蛸の柔らかいことこのうえなし。

蛸もおいしかったのですが、エンドウ豆のおいしいこと。

特別に作ってもらっていると言っていました。

青臭さが全く感じられず、豆のおいしさだけです。

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焼物 四万十川の鮎

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蓼酢を付けて食べます。

ちょっと小振りですが、その分頭からいただきます。

鮎って苔を食べて生きていることを実感するお味です。

そして、全く臭みがありません。

最高の四万十の鮎を仕入れて、至高の技で仕上げているからでしょう。

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進み肴  河内鴨 

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河内鴨は初めて聞く名前です。

河内鴨は75日飼育。

時間をかけて育てられているから、脂肪分が適度に押さえられ、それだけ熟した肉質になるそうです。

これが葱の香りで更においしさを増しています。

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炊合せ 太刀魚

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黄身で揚げています。その香ばしさを海苔の香りが相まって、よりおいしくしてくれています。

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ここで出汁の話をしたら、何も手を加えていない、昆布で引いたお出汁を飲ませてくれました。

昆布のおいしさ、ハッキリと輪郭までわかります。

このお出汁をベースにして、いろんな味が相まっておいしさを増していく。

調和と言う言葉を使っていましたが、そのベースがしっかりしているからの料理だと思います。

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ご飯 鱧焼の鮨

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鯖寿しがお馴染みですが、この季節は鱧。

寿し飯がおいしいのです。

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お猪口 13代柿右衛門作

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炊合せの器の話をしていましたら、お姉さんがお猪口を出してくれました。

それも十三代柿右衛門の作です。

現在の十五代のお話もちょっとだけしてくれました。

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使ってみなさいということで、お酒を注いでくれました。

薄く、光が通るのでお酒が赤く染まるはず。

そう言って注いでくれました。

器が滑らかで、口当たりがとても良いのです。

お酒がよりおいしく、感じられます。

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. 水菓子 西瓜のシャーベット

最後は西瓜のシャーベット。

これは難しいと思うのですが、全く青臭くない西瓜のおいしさだけを感じられます。

最後までさすがの一品です。

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今日も至高の料理を味わうことが出来ました。

これで18,000円の設定です。

値段以上の満足感があります。逆に原価割れしているのではと心配になってしまいます。

頻繁には来れませんが、年に1回は来たいお店です。

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梅市

住所:大阪市中央区東心斎橋1-6-3 ハイツ千年町2F

電話:06-6241-0576

時間:17:00~21:00

定休:日曜・祝日

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