割烹辻政 , さりげなく日本料理の極み , ☆☆☆ , 2018年4月 京都府伏見区

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まっすぐ京都に入るのではなく、ちょっと手前の中書島駅で降ります。

駅から歩いて5分ほど、寺田屋騒動の寺田屋のお隣、「割烹辻政」に立ち寄ります。

こちらは、僕の地元で一番好きな日本料理店である「御りょうり屋伊藤」の伊藤さんの、最初の修行先です。

彼を育ててくれた師匠の味がどのようなものなのか。それ知りたくてこちらのお店に寄りました。

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お酒は、伝匠。月桂冠で作っています。これが、とても料理に合います。

食中酒としては最高です。

酒造大手に対しては良いイメージがなかったのですが、その認識の誤りを正してくれます。

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先付:胡麻豆腐、雲丹、空豆

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先付は胡麻豆腐。弾力がありちょっと堅めに仕上げてあります。

舌触りにとてもよいものがあります。

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向付:鰹、淡路の鯛、アオリイカ

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一番驚いたのが、鰹。この様なものは初めて口にしました。

血合いの部分が丁寧に除かれ、鰹のおいしさだけを感じることが出来ます。

良いものを仕入れて、きちんと丁寧に仕事する。

そのことによって、このような作品が出来上がるのでしょう。

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お椀:筍、若布

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ここで一番楽しみにしていたこちらのお店のお出汁を味わうことが出来ました。

系統は伊藤と同じ方向、延長線上にあります。

ただ、こちらのお出汁はより輪郭がはっきりしており、その分だけおいしさが際立ちます。

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焼き物:のどぐろ

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のどぐろは、ただただおいしいとしか言えません。

カマの部分、お頭の部分もきれいにいただきます。

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炊き合わせ:南瓜、筍、生麩

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炊き合わせのきれいな仕上げは、何と言えばよいのでしょうか。

言葉が見付かりません。

ただただ、嘆息です。

お出汁が良くしみ込んで、そして、程よい加減に炊き上がっています。

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揚げ物:蕗の薹、白魚、アスパラガス

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地元でもあまりお目にかからない蕗の薹を京都でいただけるとは思いませんでした。

ほどよいほろ苦さを、お塩でいただきます。

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酢の物:蛸、北寄貝、蛍烏賊

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ご飯:鯛茶漬け

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お出汁のおいしさと、鯛の香り。

〆にふさわしい出来です。

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大将の人柄の良さを感じながら、ピントの合ったお出汁と丁寧な仕事を楽しむことができました。

この様なお店で修業した人が地元にいることは、とても幸せなことです。

伏見の辻政、そして地元の伊藤。

どちらも、これから先、何回も通って、楽しませて貰いたいです。

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割烹辻政

住所:京都市伏見区南浜町260

電話:075-601-2030

時間:夜は17:00から

   お昼は予約のみ

定休:水曜日.

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