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ミシュランで3つ星を獲得して久しい,Le Calandre を8年振りに訪れます。
1991/12に母親が1つ星を獲得。
1993末(19歳)より,母から受け継いで“レ・カランドレ”のシェフとして指揮を執り始めます。
1996/12(22歳)に2つ星を獲得。2002/12(28歳)で3つ星を獲得しています。
私は,3つ星を獲得した次の年に,訪れています。
ずっと行きたいと思っていましたが,やっと念願が叶います。
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ミシュランの3つ星に昇格した次の年だった2003年。
それから8年が経って一番変わったのは,menu degustazione の値段でしょうか。
2003年は,確か€100前後でした。それが8年後には€225です。
倍以上に跳ね上がっています。
3つ星の格を維持するには,大変な経費が掛かるのでしょう。
パリ,Lucas Cartonのシェフ,アラン・サンドランスは,それを嫌って2005年に3つ星を返上しました。
その気持ちが良く分かります。
しかし,いくら掛かろうともそれでも行ってみたい,そう思わせてくれるリストランテです。
因みにルキャ・カールトンは,20年以上前に佐原秋生の本で読んで以来ずっと憧れていたレストランです。
一度は行ってみたいですね。
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ただ,抜け道は用意してくれています。
前回にmenu degustazione を食べた時。
20:00から食べ初めて,カフェを飲み終えて一息ついたときには24:00を回っていました。
そして,お腹がはちきれそうでした。
隣接するHotel il Maccaroni に宿泊でした。
移動も楽でしたので何とか対応できました。
ただ他にも,出来ることならあの状況だけは回避したい,そう思う人がいるのでしょうね。
estrazione として,menu degustazione から抽出したコースが設定してありました。
そして,値段設定も8割に落としてあります。
i grandi classici de Le Calandre の estrazione をオーダーすることにします。
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前回来た時は2晩続けて通いましたので,” i grandi classici de Le Calandre ” と” In.gredienti ” の両方を頼んでいます。
8年前と今回では,同じ” i grandi classici de Le Calandre ”でも大分変わっていました。
それでも,下の写真にあります大定番の ” Cppuccino di seppie al nero ”は外せないようです。
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これも8年前に出してもらった一皿です。
ただ,お皿も変わり,ポモドーロの色は艶やかになっています。
8年間で,同じお皿も進化しているようです。
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.メニュー上では,次のお皿はリゾットになっていますが,これも8年前に食べています。
そして,あまり好きな味ではなかったので,違うメニューに変えてもらいました。
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これはどう考えても,イタリアの食材で作ったお鮨です。
ナイフやフォークを使うのではなく,手でつまんで食べるように言われました。
ポモドーロをベースにしたものを一口サイズにまとめ,その上にネタ代わりのトリフが大量に掛かっています。
味は,本当のお鮨を食べた方が良いと思います。
イタリアの人には画期的かもしれませんが,日本人からすると?です。
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それよりも,お皿の脇に写っているタンブラー,素敵だと思いませんか。
前回来た時も,気になっていました。
ヴェネチアングラスだと,その時は教えてくれました。
明日は,ヴェネチアに行きます。
工房が分かれば,行って購入したいと思いました。
尋ねてみると,このグラスは Alajmo の名前入りでスペシャリテなんだよ。
だから,お店では売っていないよ,と言われました。
だったら,今テーブルに出ているタンブラーを譲ってくれないか,尋ねてみました。
すると,1個€30なら譲ってくれるそうです。
8年越しの願いが叶いました。
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テーブルは3列,確かそれぞれ4卓ありますので,全部で12卓ほどでしょう
その他に,個室もあります。
それが全部埋まっていました。
皆,私よりも早く食事を終えていましたが,カフェを前にして,ずっとおしゃべりを楽しんでいます。
とても心地の良い空間ですので,ずっと長居をしたくなるのも分かります。
ずっとこの時間が続けばと,自分も思ってしまいます。
自分の斜め前のテーブルには,韓国系と思われる二人が座っていました。
どこかで見たような,サンプルA とサンプルBのパーツを組合わせたような人達でした。
その二人が,気取って座っています。
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ところで上の写真を見て,あるものを思い浮かべませんか。
僕は,見た瞬間,頭の中に「生け花」というフレーズが浮かんできました。
絶対それからインスパイアされていますね。
途中に出てきたお鮨をなぞったものも含めて,やはり日本文化の影響は顕著だと思います。
前回来た時も,抹茶をデザートに使っていましたし。
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8年ぶりのレ・カランドレ,相変わらずの素敵な空間と時間,そして料理を提供してくれました。
ただ,ホールの雰囲気はよりスタイリッシュになったと思います。
そして,その分少し親しみやすさが減ってしまった気がします。
3つ星の雰囲気を身に纏ってしまったのでしょうね。
サービスの人も,もう少しこちら側に降りてくれても良さそうな気がします。
ただ,十分合格点の中でも希望です。
素敵な時間が過ごせたことには,間違いありません。
また何年か経ってから,訪れてみたいです。
きっと今の自分とは,また違ったことを感じるかもしれません。
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Le Calandrе
住所:Via Liguria 1 , 35030 Rubano , Padova , Italy
電話: +39 049 630303
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